ここまではすべての波に備わっている性質について話をしてきましたが,そろそろ具体的な波も見ていきたいですね!
ということで,ここからは音(音波)に焦点を当てたいと思います。 音はもっとも身近な縦波ですので,これをやらないわけにはいきません。
さらっと言いましたが,音は縦波です! 縦波ってなんだっけ?という人は復習してください。
これから出てくる音の波形はすべて横波表示されていますが,実際は縦波であるということを常に意識しながら読んでください。
音に関する用語
本題に入る前にまずは用語を確認します。
とはいえ,新しい用語ではありません。 呼び方が変わる用語がいくつか存在するので,その紹介です!
波の発生源のことを,これまでは波源と呼んでいましたが,音の分野では音源と呼ぶことにします。 それから,振動数は音の分野では周波数とも呼ばれます。
と,まぁだいたいこんなとこです。 それ以外の用語は以前学習した波の用語をそのまま用います(波長や周期,振幅など)。
音の聞こえ方のちがいと波の性質
では準備が済んだところで本題に入りましょう。
我々は音に囲まれて生活しています。 話し声,音楽,動物の鳴き声,車のエンジン音,… …,いろいろな音がありますが,これらは物理の観点から見るとどれも何の変哲もない「ただの波」です。 好きな音楽も,うるさい音も,ただの波。
では,きれいな音楽と騒音は波としてどうちがうのでしょうか??
…長々と書きましたが,この答えはだいたい知っているはずです。 なぜなら中学校でもう習っているから。
「大きい音=振幅が大きい」,「高い音=振動数が大きい」でしたね!!
つまり,これまでに学習した波の特徴(振幅や振動数)が,「音がどう聞こえるか」に密接に関連しているということです。
しかし,音は大きさと高さだけでは決まりません。 同じ音量で同じ音階の音を出したとしても,ピアノとトランペットでは違う音に聞えるはずです。 この音の聞こえ方を音色といいます。 音色のちがいは音の性質を語る上で重要なポイントです。
音の性質を決める「大きさ・高さ・音色」のことを音の3要素といいます。
音の大きさは振幅,音の高さは周波数によって決まるように,音色も波の性質で決まります。 ズバリ,波形です。
ここまで波のグラフやロープを揺らしてできる波など,何回か波形を書いてきましたが,すべて正弦波の形でした。
ところが,音の波形は声を出す人,楽器によって様々な波形をもちます。 これが音色のちがいとなって現れるのです!
「正弦波しかやっていないからこんな複雑な形の波は扱えない!」と思うでしょうが,心配ご無用。 実はどんな複雑な波形も正弦波の重ねあわせでつくることができることが知られています。 よって正弦波だけ知っておけばOKなのです。
…もっとも,複雑な波形を高校物理で計算することはないんですが!笑
「波形がちがえば音色がちがう」という点だけ押さえておきましょう。
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
次回は音速について説明したいと思います!