前回までに,波を表すグラフには2種類あることを学びました。
グラフを苦手にしている人がいますが,数学でも物理でもグラフは情報の宝庫です! 毛嫌いせずに,しっかり読み取り方をマスターしましょう!
波のグラフの読み取りの大事な点は,横軸が何を表しているか。 ただこの1点に尽きます。
y-xグラフとy-tグラフは全く別のグラフにも関わらず,形だけ見ると同じ形をしているので,横軸を確認しないとどちらのグラフなのか判断できません!!
必ず横軸がxなのかtなのか確認するクセをつけましょう。
① y-xグラフの読み取り
y-xグラフとは「波のある時刻での写真」というイメージでした。 グラフは横軸と縦軸の読み取りがポイント。
まずは横軸(x軸)。 写真に定規をあてて波1個分の長さを測れば,波長が読み取れます。
一方,縦軸(y軸)は媒質の変位を表しています。 これは力学でやった変位と同じで,「媒質が,どの向きに,どれぐらいの距離変化しているか」を表す量です。
変位に自信がない人は力学を復習しましょう ↓
x軸を基準にして,媒質が上に振動していたら変位は正,下に振動していたら変位は負です。 変位の最大値(=山の高さ)のことを振幅と呼びます。
② y-tグラフの読み取り
y-tグラフは「媒質の中の,ある一点の動き」を表しているのでした。 時間が経つにつれて,ロープにつけた印が上下に揺れている様子です。
縦軸(y軸)が表しているものは媒質の変位です。 ここだけはy-xグラフと同じ。
ただし,y-xグラフは “ある点での” 変位なのに対し,y-tグラフでは “ある時刻での” 変位なので,そこだけ注意しましょう。
次に横軸(t軸)ですが,これは時刻を表しています。
先ほどのy-xグラフでは波1個分の長さ(=波長)を読み取りましたが,y-tグラフでは波1個が生じる時間(=周期)を読み取ることができます。
以上,2つのグラフの読み取りでした。 y-xグラフとy-tグラフとでは,読み取れるものがちがう,ということが大切。
与えられたグラフから読み取れるものはそのまま読み取り,読み取れないものは波の基本式などを使って計算で求めることになります。 まとめノートで2つのグラフを並べて見比べてみましょう。
今回のまとめノート
教科書や問題集などで繰り返し問題を解いて,グラフに慣れることも大切です。 時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしましょう!
次回予告
グラフはいったんお休みして,次回は再び波の用語を学習しましょう!