前回,最終的に何がわかったのかというと,気体分子の平均運動エネルギーでした。 これは分子の話なのでミクロの世界。
気体をマクロな視点から見る(気体を分子の集合体として見るのではなく,気体を気体として見る,という意味)とき,気体がもつエネルギーとは何だったでしょうか? すっかり忘れている人もいるかもしれませんね…
答えは「内部エネルギー」です!
これは物理基礎の熱力学第1法則のところで登場した概念です。
このときはサラッとしか触れませんでしたが,今回は準備が整っているので,がっつりやりたいと思います!
内部エネルギーの式
理想気体の内部エネルギーとは,気体を構成するすべての分子がもつ運動エネルギーの合計です。
本当は分子間にはたらく力による位置エネルギーも含めた,力学的エネルギーの合計なのですが,理想気体では分子間力は無視できるので,運動エネルギーだけで考えてOK。
前回の結果を利用すると,理想気体の内部エネルギーUは割と簡単に求められます。
これはすごい式!
内部エネルギーは本来,1個1個の分子の運動エネルギーを求めて合計しなきゃいけないはずなのに,この計算結果を見ると,なんと気体の物質量 n[mol]と温度 T[K]だけで求められることになります。
これも気体をミクロな視点から見ていたおかげ。ありがたや。
ただし! 気体分子の平均運動エネルギーの式は単原子分子に限って成り立つ式だったので,この内部エネルギーの式も正確には,「単原子分子理想気体の内部エネルギーの式」です。 名前長ぇ…
温度との関係
上の式から,気体の問題を解く上で必ず知っておかないといけない重要なポイント,「物質量が一定ならば,内部エネルギーは温度[K]に比例する」ということがわかります。
これから先,「300Kの気体の内部エネルギーを求めよ」というような問題の他に,「気体の温度を20K上昇させたとき,内部エネルギーは何J増加するか」という問題を扱う機会も多いので,温度変化ver.の式も紹介しておきますね!
物理基礎で「温度が上がれば内部エネルギーは増える,温度が下がれば内部エネルギーは減る」としか説明できませんでしたが,これでようやく,温度の変化によって具体的にどれぐらい内部エネルギーが変化するのかが計算できるようになりました!!
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
今回は説明が中心だったので,次回は内部エネルギーに関する問題を見ていきたいと思います。