インピーダンスと位相のずれ

抵抗だけ or コイルだけ or コンデンサーだけの交流回路は性質を覚えておくだけでいいので別に問題ないでしょう。

問題はこれらが複数組み合わされた場合。
どのようにアプローチすればいいのでしょうか?

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位相のずれとインピーダンスの求め方

抵抗のはたらきは抵抗値R[Ω],コイルのはたらきは自己インダクタンスL[H],コンデンサーのはたらきは電気容量C[F]でそれぞれ決まりますが,交流回路では各部品をこれらのアルファベットで表すことが多いです。

たとえば,「RL直列回路」と言われたら,それは「交流電源に抵抗とコイルを直列に接続したもの」という意味。

では手始めにそのRL直列回路について,例題を通して考えてみましょう。

この問題,見た目ほど単純ではありません。 よくある誤答例を紹介しておくと,

部品が複数組み合わされたとき,それらの影響が単なる合計になるとは限りません。

ね? なんかめんどくさそうでしょ?笑

でも慌てず焦らず一歩ずつ進みましょう。

交流の計算を始める前に重要なのは,「どの位相を基準にするか」です。
前回のまとめノートでは電圧の位相を基準して考えていましたが,直列の場合は抵抗を流れる電流とコイルを流れる電流が共通となるので,電流を基準に考えるのが定石。

これを踏まえて例題の解答をつくってみましょう!

さぁ,あとは電気回路の原則,「電源で上がった高さ=抵抗(リアクタンスも含む)で下がった高さ」の式を立てて計算するだけ。
途中,三角関数の合成を使います。 忘れている人は思い出して!

これで電流に対する位相のずれφが求められました!

…まだ終わりませんよ?
いま求めた電圧の式で,最大値にあたる部分に注目してください。

交流回路では位相が大事だと以前書きましたが,インピーダンスも交流を語る上で絶対に外せない重要な値です。

今回はここまで!
まとめノートは次回に持ち越しますが,時間に余裕がある人はぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください!
より一層理解が深まります。

次回予告

RL回路やRC回路はまだまだ序の口。
交流で大事なのはコイルとコンデンサーが両方登場する回路なので,次回インピーダンスの簡単な求め方も交えつつ説明していきます!

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