これまで回路の問題といえば抵抗が主役でしたが,そろそろバリエーションを増やしていきましょう。
だいたい,抵抗に電流を流しても発熱するだけだから,抵抗ばかり何個もつないだ回路ってただのエネルギーの無駄遣いじゃねぇか
今回は,抵抗の他にコンデンサーが組み込まれている場合の回路について見ていきたいと思います!
コンデンサー回路の原則
手元に問題集がある人はぜひコンデンサー回路の問題を眺めてみてください。 回路ではなくて,問題文に注目。
「スイッチを入れた直後の◯◯を求めよ。」
「十分時間が経過した後,◯◯はどうなっているか。」
という問題がやたら多くないですか? 多いどころか,よく見るとそれしかないことに気づくと思います。
「スイッチを入れて t[s]後に,回路に流れる電流は?」なんて問題は一題も見当たりませんよね?
もちろんこれは偶然ではなく,ちゃんと理由があります。 充電途中 or 放電途中の状態を計算するには,高校で習わない数学(微分方程式)を用いる必要があるので,どうしても出題できないのです。
つまり,高校物理のコンデンサーを含む回路に関して,「問題で問われるのは,電池をつないだ直後か,つないで十分時間が経過した後のどちらかしかない」ということが断言できます!
コンデンサーの回路を見て,「なんだか複雑そう…」とひるむ人が多いですが,むしろ逆。
2パターンしか問題がないのでめちゃくちゃ単純です。
(こういう「問題のパターン化」みたいなのは好みじゃないんですが,今回は例外。)
今回のまとめノート
その2パターンに対してコンデンサーがどう振る舞うか,まとめノートで確認しておきましょう。
「導線とみなす」,「断線しているとみなす」という表現こそ初登場ですが,内容はすでに学習済みですよ!
「充電開始直後は電流が流れる」,「充電完了後は電流が流れなくなる」と聞いて,ピンとこない人は基本が足りていない証拠ですので,過去記事で復習してください。
例題
では,最後に例題を解いて理解を深めておきましょう。
まとめノートに書いたことをヒントに,まずは自力で考えてみてください。 答えはこの下にあるので,解き終わったらスクロールして答え合わせしてみましょう。
解答 ↓
できましたか? 類題を用意したので,そちらにもチャレンジしてみてください!
次回予告
直流におけるコンデンサーの基本事項はこれですべて説明し終えたので,次回からまた別の電気部品の話題に入りましょう!