前回に引き続き電場のお話です! 電場の表現方法について考えてみましょう。
ファラデーのアイデア
20世紀最大の科学者は?と言われたら多くの人がアインシュタインの名を挙げると思います。 では,19世紀最大の科学者は?
それはおそらくファラデーではないかと思います。 ファラデーの詳しい人物伝は他のサイトに任せますが,ファラデーの生い立ちは非常に興味深く,いわゆる「貧乏子だくさん」の家に生まれ,小学校しか出ていない(中退?)という話です。
そんな学歴なので,彼は一流の科学者になった後も,高度な数学は分からなかったようです。 ただ,数学ができない代わりに,数式を用いずに現象を分かりやすく表すことには長けていました。
今回のタイトルにもなっている「電気力線」もファラデーのアイデアの1つで,電場の様子やはたらきを計算ではなく,視覚的に捉える上で重要な道具です!!
(※「電気力線」の読み方は,「でんき “りき” せん」。 “りょく” じゃないので注意。 「磁力線」は “りょく” なのにね…笑)
電気力線のルール
電気力線とは,一言でいえば,「電場を線で表現したもの」です。 問題は,どう表現するか。
もし電場が目に見えるものなら,見えたものをそのまま書き写せばいいのですが,残念ながら見えません。 目に見えないものを,現実の実験結果と矛盾しないように表現するために,ファラデーは,電気力線の書き方を以下のように決めました!
このルールに従えば,電場の様子をバッチリ表せます! これなら数学が分からなくても電場のイメージを思い描くことが容易ですね。 ファラデーのアイデア勝ち!!
電気力線からわかること
電気力線が書けるようになったところで,電気力線から読み取れる情報についてまとめてみます。
① 電気力線の間隔から読み取れる情報
…電気力線が密集しているところほど,電場は強い。
② 電気力線の形から読み取れる情報
…電気力線上の各点での接線は,その点での電場の方向を表す。
③ 電気力線の流れから読み取れる情報
…電場中に正電荷を置いたとき,電荷は電気力線に沿って運動する。
このように,電気力線はシンプルながらも,様々な情報をもっています!!
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
力についての話題はこれでいったん休止。 物理基礎の力学では,力のあとにエネルギーをやりましたが,力学に限らず物理では「力→エネルギー」の流れはテッパンです。
というわけで次回はエネルギーについてです!