ずいぶん引き伸ばしましたが(笑),いよいよ本命のオームの法則に入ります。
オームの法則は電流,電位差,抵抗の関係を示した法則です。 オームの法則を用いれば,実際に回路を組むことなく,計算だけで流れる電流を求めることができます。 すごい!!
そんなすごい法則,使いこなせないと損ですよ!
オームの法則でやってはいけないこと
さて,法則について説明する前にひとつだけ言っておきましょう。
この図で覚えるのはやめてね!!!!
もう何度でもいいます。やめてください。 図はやめろという理由は2つです。
まず1つ。計算が苦手,式変形が苦手,という人が多いですが,こんな図に頼ってるから,いつまで経っても式変形ができないのです。 計算を得意にするには式に慣れるしかありません。
2つ目の理由は,上の図だと肝心のオームの法則の中身がわからないことです。 仮に式が言えて,計算ができたとしても,法則の中身を “言葉で” 説明できなければそれは分かったことになりません。
オームの法則の意味
一方,オームの法則を V=RI と,ちゃんと式の形で表現するとアラ不思議。 意味がすぐわかるじゃありませんか!!
え? わからない? 式の形をよく見てください。何かに似ていませんか?
そう,数学で習った比例の式 y=ax と同じ形をしています!(なんの文字を使っているかではなく,式の形を見るクセをつけましょう)
y=ax はどういう意味だったかというと,「xとyは比例していて,その比例定数は aである。」ということでした。
これをこのまま V=RI に当てはめると,「VとIは比例していて,その比例定数はRである。」と解釈できます。
そしてこれをさらに日本語訳すると,「電圧と電流は比例していて,抵抗値が比例定数である。」となります。 式を読むとはこういうこと。
物理をしっかり理解するには式の意味を言えるようにすることが必須ですが,図でオームの法則を覚えている人には一生できません。
文字に何を代入するのか
さらに大事な話は続きます。法則に登場するIとVです。 教科書ではただ単に「電流」「電圧」となっていますが,これはさすがに省略しすぎです。
みなさんは,オームの法則を使って計算するとき,Vのところに電源の電圧を代入したりしていませんか??
それは間違いやで!!(たまたま答えが合う場合もあるけど…)
それでは正しく理解してもらいたいと思います。 オームの法則 V = RI のRは抵抗値です。これはいいですね。
次にIですが,これは「その抵抗を流れる電流の大きさ」です。
そしてVは「その抵抗による電圧降下」です。 電源の電圧は関係ありません!!!!
回路における抵抗のはたらきとは,電圧(高さ)を下げることでした。 忘れてしまった人は前回の記事を参照↓
その下がる電圧と流れる電流の比例関係を示したものこそ,オームの法則なのです。 とりあえずここまでをまとめておきましょう!
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
オームの法則の中身と式についてまとめましたが,大事なのは使い方です!
このまま説明すると長くなってしまうので,今回はここまでにして,次回,実際の回路にオームの法則をどう使えばいいのかを勉強しましょう。