力学は数回単位でコロコロ話題が変わっているイメージですが,またしても新しい分野に突入します。
今度のテーマは「円運動」。 その名の通り,ある点を中心に円を描く運動のことです。 今回は初回ということで,用語を紹介していきたいと思います!
物体の速度と角速度
まずは円運動する物体の “速さ” について考えましょう。 とりあえずは円周上を一定の速さで運動する(=等速円運動)とします。
物体が進んだ距離をかかった時間で割れば求められそうですね!
これで終わりかというと,そうではありません。 この速さは円運動を扱うにはちょっと微妙な点があるのです。
例えば,「1秒間に10m進むのと4.0m進むのとではどちらが速いか?」と言われたら,そりゃ10mですよね?
いまこの問題を聞いたとき,みなさんは無意識に直線運動をイメージしませんでしたか?
円運動だとどうなるか,ちょっと見てください。
そりゃ10m/sと4.0m/sを比べたら10m/sの方が速いですが,円運動として見た場合,「どれだけの距離を進んだか」よりも,「何周まわったか」を基準に速さを考えたほうが適切な場合もあります。
これを表すのが角速度です。
角速度の記号ωは,(´・ω・`)などの顔文字で目にしたことがあると思います。 読み方は「オメガ」ですよ〜
角速度ωを用いて,先ほどの例をもう一度考えてみると…
角速度のほうが優れているというわけではなく,円運動では速度と角速度を適切に使い分けることが重要です。
ちがいをしっかり認識してください。
周期と回転数
物体が等速で円運動する場合,1周して元の位置に戻ってくるまでの時間を周期,1秒間に回転する回数を回転数といいます。
名前がちょっとちがいますが,これは波の分野で学習した周期と振動数の関係とまったく同じ。
うーん,簡単。 ついでにさっきの速度や角速度との関係も調べておきましょう。
今回は大した用語はありませんでしたが,ご覧のとおり出てくる式はちょっと多め。
丸暗記するのではなく,自力で導出できるように練習しておくと理解が深まると思います。
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
慣性の法則によれば,力がはたらかなければ物体は等速直線運動をするはずなので,円運動する物体は何らかの力を受けていることになります。
次回はこの力について考えていきましょう。