今回は身のまわりの等加速度運動を見ていきます。
実は身近な等加速度運動
「等速直線運動は理想的な運動で,身近な運動ではない」という話を以前しましたが,等加速度運動はどうでしょうか?
一見すると「速度の変化が一定なんて,都合良すぎない??」と思ってしまいますが,実は等加速度運動はかなりありふれた現象です。
もっとも身近な例は落下運動ではないでしょうか。 モノを落とした経験は誰にでもあると思いますが,落とした物体は徐々に速度を増して地面に到達します。つまり,加速度運動になっています!
目で見ただけでは“等”加速かどうかまではわかりませんが,記録タイマーを用いた簡単な実験によって,落下運動が等加速度運動であることが確かめられます(理科の授業でやったことがある人も多いのでは?) 。
落下の加速度
みなさん,落下運動を思い浮かべてください(面倒なので空気抵抗は無視!)。
実際に何かを落としてみても構いません。
「モノが落ちる」なんて,ありふれた現象なので,今さら改めて何かを落としてみても何も変わったことはありません。
しかし! そこが大事なのです!!
落とす時に勢いをつけなければ,物体は常に同じ落ち方をします。 落ちる向きはいつも真下だし,落ちるときの加速の仕方もいつも同じです。
落下の加速度はこのように,いつ,誰が,どこで,何を落としても同じになるので,ある意味で“特別な” 加速度といえるでしょう。
この “特別な” 加速度は,「重力加速度」と呼ばれます。 加速度は通常,記号 a で表されますが,重力加速度は g で表します。
今回のまとめノート
重力加速度は落下運動に限らず,物理全般で非常によく使うので,ぜひとも覚えておきましょう。
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
次回からは落下運動について具体的に見ていきたいと思います。