箔検電器

物体が帯電しているかどうかは見ただけではわかりませんが,箔検電器(はくけんでんき)と呼ばれるアイテムを使えば,目で見て確認することができます。

今回は箔検電器の原理や使い方を学んでいきましょう!

目次

箔検電器の構造・原理

箔検電器は非常にシンプルな構造をしています。
金属板と,それにつながれた2枚の薄いアルミ箔。 たったこれだけ!

構造も簡単だけど使い方も簡単。
金属板に帯電しているかどうか調べたい物体を近づけるだけ。

その物体が帯電していなければ何も起こりませんが,帯電(正でも負でも)している場合,静電誘導によってアルミ箔が開きます!

うーん,とってもシンプル。

箔を閉じる方法

箔検電器を帯電させて,箔をあらかじめ開いている状態にします。

さてここで問題。 開いた箔を閉じるにはどうしたらいいでしょうか??

答えは2つあって,1つは「箔検電器がもっている電荷とは逆の符号に帯電した物体を近づける」こと。

もう1つの方法はもっと簡単。
その方法とは,「金属板を指で触る」です!

箔検電器についての説明は以上ですが,ちゃんと理解できているか確かめるために例題をやっておきましょう。

例題

まずは自分で考えてみてください。
答えはこの下にあるので,考えがまとまったら答え合わせしましょう。

では解答です。

…この解説を読んで,

「あれ? 正電荷が逃げるっておかしくない? 負電荷は自由電子だから指を伝って逃げられるけど,正電荷は金属の原子核だから動けないんじゃないの?」

と思った人はいませんか?

教科書や参考書でもこのような「正電荷が逃げる」という解説をしているものが多いですが,「指から地球へ正電荷が逃げる」のではなく,「指を伝って地球から負電荷(自由電子)が入ってくる」が実際に起っている現象です。

ただし,負電荷が右に動くことと,正電荷が左に動くことは見た目上区別できません。

つまり,「負電荷が入ってくる」を「正電荷が逃げていく」と表現しても,結局は同じことだということ。

これは単純に解釈の問題。
「正電荷は動けず,負電荷(電子)だけが動ける」と考えるのと,「正電荷も負電荷も同じように動ける」と考えるのとではどっちが簡単か。

多くの人は後者のほうが簡単だと思うはずです(片方を特別視するより,平等に扱えたほうが簡単でしょ?)。
教科書・参考書が「正電荷も動ける」という立場で解説しているのはこういう理由からなのです。

今回のまとめノート


時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。

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