いよいよ電磁気最後のトピックス,「交流回路」に突入します!
我々はいま電気ナシでは生きていけない世の中に暮らしていますが,発電所でつくられる電気は交流。 生活に密着している重要なものです。 今回は手始めに,「交流とは何か,どうやってつくるのか」という話をしたいと思います。
直流と交流のちがい
まずは基礎の基礎から。 電源は大きく分けて,「直流電源」と,「交流電源」の2種類があります。 そのちがいは何かというと,
うーん,全然ちがう。。。 電源の性質がこれだけ変わると,当然回路を流れる電流の様子もだいぶ変わってきます。
直流電源は一方向に電流を流しますが,交流電源は周期的にプラスとマイナスが入れ替わるので,それに伴って流れる電流の向きも周期的に変化します!
コイルに生じる交流電圧
周期的に向きが入れ替わるという変わった性質をもつ交流ですが,磁石とコイルを使って簡単につくり出すことができます。
コイルは導線でできているので,磁場の中で回転するコイルには誘導起電力が生じます(コイルの各辺をそれぞれ導体棒とみなす)!!
ピンとこない人や,公式を忘れた人は復習しましょう。
では,公式を駆使して,コイルと水平面のなす角がθのときの誘導起電力を求めてみましょう。 まずはコイルの各辺AB,BC,CD,DAに注目します。
ここで最初のポイント。 4つの辺のうち,ABとCDには誘導起電力が生じますが,BCとDAは磁場を横切らないため,誘導起電力は生じません!
よって,ABとCDだけ考えればよいことになります。 公式を使えばいいのですが,運動の向きと磁場の向きの関係に注意しましょう!
誘導起電力の向きは,レンツの法則を用いれば求められます。
(tをごく短い時間にしたのは,角度が90°を超えるとややこしいため笑)
おっ! 電圧の式にsinが登場してる!! ということはグラフを書くと…
これは交流電圧のグラフそのもの!
上の解説では,時刻 t がごく短いものとして考えましたが,時間が経過してコイルがぐるぐる回転していくと,コイルを貫く磁束線が増えたり減ったりを繰り返します。 その磁束線の増減に対応して,誘導起電力の符号が入れ替わるのです。
交流電圧,意外にあっさりつくれるでしょ?
用語・関係式
せっかく式とグラフが求められたので,交流を扱うときによく出てくる用語や関係式について見ていきましょう。
ω,T,f は,円運動や単振動,波のところで登場したものと意味や関係式はまったく同じ(ωの呼び方はブレブレだけど笑)!
覚えるものが少なくて助かりますね(^_^;)
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
今回出てきた交流関係の用語に,特に目新しいものはありませんでしたが,次回は交流特有の用語について学びましょう。