今回は導体と不導体について学びます!
まずは意味の確認。 電気をよく通す物質を導体,電気を通しにくい物質を不導体(または絶縁体)と呼びます。 以上。
…というのはさすがに短すぎるので,今回は,導体が電気をよく通す理由について説明したいと思います。 導体と言われてすぐに思いつくのは金属ではないでしょうか?
実は金属以外にも電気を通す物質は存在する(黒鉛など)のですが,金属でもそれ以外の導体でも,電気を通すメカニズムは同じなので,この先は金属に絞って話を進めていきます。
導体が電気を通す理由
さて,ここでまたしても原子の話に戻ります! 前回の話を思い出しましょう。 原子は中心の原子核と,その周りの電子でできていて,原子は電子を出したりもらったりすることでイオン化するのでした。
そして,前回は触れませんでしたが,実は原子の種類によって「電子を出しやすいもの」と「電子を受け取りやすいもの」があります。
今回の主役である金属の原子はどちらのタイプなのかというと,電子を出しやすいものに分類されることが知られています。 このことを踏まえた上で,金属の性質について考えてみましょう。
図中にもありますが,金属内には原子から放出されて行き場を失った電子がたくさんさまよっていて,これを自由電子と呼びます。
ふつう,電子は原子核の周りにしか存在することができないので,“自由”ではありません。金属中の自由電子は特別な電子といえるでしょう。
説明が長くなりましたが,この自由電子こそ金属が電気をよく通す原因です。 自由電子は負に帯電した粒子なので,これらが一方向に動き出すと,それが電流となります。
つまり,金属が電気を通しやすいのは自由電子があるおかげ,というわけ。
余談ですが,電気をよく通すこと以外にも,金属には「たたくと延びる(延性・展性)」や「金属光沢をもつ」などの性質がありますが,なんとこれらは全部自由電子のしわざなのです!
自由電子,なかなか侮れませんね……!
一方,プラスチックやゴム,紙などの不導体の中では,電子はすべて原子の周りにあって自由に動き回れないため,電流になる荷電粒子(帯電した粒子のこと)が存在しません。 よって,不導体は電気を通しにくいのです。
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
次回からはいよいよオームの法則に入っていきます!