重力

前回の予告どおり,いろいろな力について学んでいきましょう。 トップバッターは重力!
重力とはみなさんご存知の通り,物体が地球から引かれる力のこと。
今回の記事の目標は,「重力の大きさをしっかり計算できるようになろう!」です。

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重力の大きさ

地球上のすべての物体は重力を受けているわけですが,その大きさは一定ではありません! 質量が大きい物体ほど,受ける重力も大きくなります。

正確には「物体が受ける重力の大きさは,その質量に比例する」 ということになります。
比例定数は です(gは重力加速度。忘れている人は以下の記事参照)。

ここで「は比例定数をaとして,xに比例する → y = ax 」という中学校で習った数学の知識を思い出しましょう。

すると,いまの「物体が受ける重力の大きさWは比例定数をgとして,物体の質量mに比例する」は式で書くと,W=mg と表せますね!
(比例定数を前にもってきてW=gmと書きたくなりますが,物理では慣例としてmgという書き方をするので,それに従いましょう。)

中学校で習ったことはウソ?

ここでひとつ注意点があります! 下の文を見てください。

「100gの物体にはたらく重力の大きさは,およそ1Nである。」

…この文章に見覚えのある方もいるでしょう。 これは中学校の理科の教科書に書いてある1文です。 なにが注意点なのか。もう一度上の文章をよく読んでください。

100gの物体にはたらく重力の大きさは,“およそ”1Nとあります。

そう!実はこれ,正確じゃないんです。 じゃあ正確にはいくらなのか?

先ほど紹介した W=mg こそが正確な重力の大きさを求める式です。 これを使って,100gの物体にはたらく重力を求めてみましょう。

計算の結果,100gの物体にはたらく重力の大きさは0.98Nとなります。 なるほど,確かにおよそ1Nですね…

1Nとは0.02Nの差しかないので,中学校の教科書はウソは言っていません。 しかし,これが50kgの物体にはたらく重力ならどうでしょう。

中学生風に求めると500N。 ところが W=mg を用いると490Nとなって,10Nの開きがあります。 質量が増えるにつれてこの差は大きくなります。

中学生は加速度を学習しないので,正しい重力の求め方を教えられないのですが,みなさんはすでに加速度について学習しています! 「100gあたり1N」という中学校で習ったことは忘れて(これ重要!)W=mg で正しい重力の大きさを求められるようにしましょう!

今回のまとめノート


重力だけなのに思いのほか長くなってしまいましたが,時間に余裕がある人は問題演習にもチャレンジしてください! より一層理解が深まります。

次回予告

次は糸の張力です!

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