前回は運動の第1法則をやったので,今回は第2法則!
…と言いたいところですが,先に第3法則をやることにします。
運動の第3法則
第3法則の別名は「作用反作用の法則」です。 これまた中学校で一度習っているはずなので,中身をおさらいしましょう。
「物体Aが物体Bに力(作用)を及ぼすとき,AもBから力(反作用)を受ける。 このとき,作用と反作用は同じ大きさで互いに逆向き,同じ作用線上にある。」
これが作用反作用の法則のすべて。 見てわかる通り,これは力についての法則です。
“運動の” 第3法則という名前なのに,運動には言及していないという笑
作用反作用の法則を読み解く
では,「壁を押す」という何気ない動作を例に説明します。 近くに壁を実際に押してみてください。
壁を押すとき,力を加えているのは自分自身なので,「自分が壁を押している!」と思いがちですが,実は「あなたが壁を押すと同時に,あなた自身も壁から押されている」ということを,作用反作用の法則は主張しているのです!!
“同時に”というのは大事なポイント。「壁を押すと,壁から押し返される」と書くと,押し返されるまでに時間差があるように聞こえますが,この2つの力は実際は同時に現れます。
ここで,壁を押す力を作用としましょう。 そうすると壁から押される力が反作用になります。
(※ どちらを作用と呼ぶかは特に決まってないので逆でもOK。片方を作用と呼べば,自動的にもう片方が反作用と呼ばれることになります。)
さて,作用反作用の法則によれば,反作用の大きさは作用の大きさに等しいです。 つまり,壁を50Nの力で押せば,自分は壁から50Nの力で押し返され,100Nの力で押せば,100Nの力で押し返されることになります。
…壁には意志がないのに,なぜ押している人の力に合わせて押し返してくるのか…,考えてみれば不思議(不気味?)な気もしますね…
あなたはいま地球を引っ張っている!?
最後にひとつ注意点。 作用反作用の法則は,物体同士が接触していなくても成り立ちます!
たとえば磁石。N極とS極はお互いに引っ張りあってくっつこうとしますが,このとき,N極がS極に引っ張られるのと同時に,S極もN極に引っ張られています。 これはまさに作用と反作用です。
磁力と同様,重力にも反作用があります。 いまこれを読んでいるあなたは,地球の重力に引っ張られていますが,その反作用はどんな力でしょう?
重力は「地球があなたを引く力」なので,この反作用は「あなたが地球を引く力」になります! そしてその大きさは,あなたが地球から受ける重力と等しいです。
仮にあなたの体重が50kgだとすると,あなたは490Nの力(mg = 50 ✕ 9.8)で常に地球を引っ張っているのです!!
最初の壁の例は聞き飽きたという人も,自分と地球の間にも作用反作用の法則が成り立っている,というのは感動しませんか?(感動してほしい!笑)
今回のまとめノート
時間に余裕がある人は,ぜひ問題演習にもチャレンジしてみてください! より一層理解が深まります。
次回予告
運動の3法則も残すところあと1つ。 次回は最重要法則である第2法則について学習しましょう!